漫画関連の本を読んでいると、1950~1960年代の話題が多いせいか、妙に昭和史に興味を抱くようになってしまう。
というわけで水木しげる先生の「コミック 昭和史」を読んでみた。
物語は昭和の少し前、大正12年の関東大震災から物語がスタート。
昭和初期の金融恐慌の引き金となった

水木しげる一家や本人の暮らしのエピソードも交えながら、日本がいかにして戦争に突入し、負けて、そして復興していったのかが描かれている。
大阪へ出稼ぎに来ている水木しげるの父親

昭和初期の日本を見ていると、いま世界で起こっている紛争の多くも、仕組まれたものなのではと思ってしまう

盧溝橋事件や張作霖爆殺事件、満州事変などは知っていたけど、他にも色々とあったんだなぁ。
戦地から帰還した水木しげる

水木先生本人が出てくるエピソードはマンガ調になっているので楽しく読める(といっても壮絶な話が多い)のだけど、戦後の復興以降についてはネズミ男が語り部となり、紙芝居調で矢継ぎ早に説明されるので、正直に言うと頭に入りにくい。
戦後数十年分の事件を逐一ストーリーで描けないだろうから、仕方なし

各巻の概要(Wikipediaより)。昭和20年までが6巻の途中まで。その後の44年を3巻弱で描いている。
第1巻 関東大震災〜満州事変
第2巻 満州事変〜日中全面戦争
第3巻 日中全面戦争〜太平洋戦争開始
第4巻 太平洋戦争前半
第5巻 太平洋戦争後半
第6巻 終戦から朝鮮戦争
第7巻 講和から復興
第8巻 高度成長以降
大正末期の大混乱から不穏な昭和初期を経て、戦争へ突入。敗戦して貧困からスタートした日本が豊かになっていくにつれ、何を得て何を失ったのか、が水木の目を通して描かれています。
令和6年現在、戦後の生活と比べればまだまだ天国のような状況ではあるものの、なぜだか幸福感をあまり感じられないのはなぜか。その理由の一端が、この本を読めば少し見えてくるのかもしれません。
奥さんが妊娠中の描写。この作品を読むと、少子化の原因って経済的な理由ではないのではないだろうかと思えてくる



それにしても、うんこの話が多いな! いや、分かっていた、分かってはいたのだけど・・。
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