

発行日と目次
発行日:2021年3月15日
以下、目次
序文
第1章:『ガロ』との出会い
第2章:『ガロ』編集長
第3章:『ガロ』編集部へ
第4章:『ガロ』編集道
第5章:『ガロ』とバブル
第6章:『ガロ』長井会長・山中社長体制へ
第7章:『デジタルガロ』の真実
第8章:『ガロ』休刊の裏で
第9章:『ガロ』社員一斉退職後の苦難
第10章:白血病と余命宣告
第11章:やまだ紫との別れ
第12章:命が消える前に
第13章:『ガロ』編集魂
最終章:全身編集者
あとがき
編集後記
説明や感想など
『ガロ』の副編集長をつとめた著者(漫画家、やまだ紫(故人)の夫でもある)が、自らの死期を悟り、『ガロ』が事実上の廃刊となるに至った経緯を語った著作。
口語体で書かれており、通販サイトのレビューで一部「読みにくい」という評価もあったりしますが、最後まで読むと人となりが伝わってきて、私は好きになりました。

最愛の妻を亡くし、また、人生を捧げた「ガロ」が休刊に追い込まれ、そして自身も病におかされながら、それでもガロやその雑誌を支えた作家たち、妻、やまだ紫がいかに素晴らしい存在だったかを訴えようとする著者の姿に胸を打たれます。
やや放埓な発言が目立ちますが、読んでいると、きっとこの方はとても真面目で優しい人だったのだろうなということが伝わってきます。
著者がブログで書いていたことが一部事実ではなかったことが、巻末の山中潤氏の「白取さんが死んだから書けること」で説明されていますが、私のように「ガロ」に格段の思い入れを持っていない人間からすると、それは瑣末なことのように感じました。
「ガロ」に興味のない人も、ぜひ読んでみてもらいたいです。
なお、余談ですが、この本を読むと「ガロ」編集長で描かれた(というか本人が書いた)長井勝一とはまた違った長井勝一像を知ることができるので、興味のある方はぜひ。

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