


発行日と目次
発行日:1987年9月29日
※単行本(?)は1982年4月
以下、目次
第1章 『ガロ』創刊のころ
・マンガ文化隆盛の中で
・いいマンガを出版したい
・結核で死にかかって
・創刊号と「カムイ伝」
・実験と刺戟の場を
第2章 大陸での夢と現実
・生まれ、少年時代
・山師にあこがれる
・満州鉱山に勤める
・関東軍第二要員になる
・満州から逃げ出す
第3章 特価本と赤本の世界
・闇屋から露天商に
・”ぶつ切りマンガ”売れる
・赤本マンガブームにのる
・日本漫画社を始める
・白土三平さんとであう
第4章 三洋社の時代
・再びマンガ出版の世界へ
・札束片手の凹凸トリオ
・「忍者武芸帳」のこと
・特価本業界の裏話
・森脇将光に一杯食わす
・三たび結核に倒れる
第5章 『ガロ』売れだす
・赤目プロダクション
・影武者・小島剛夕さん
・水木さんの大活躍
・創刊当時の新人群
・つげ義春作品の衝撃力
・夭折した楠勝平さん
第6章 個性豊かな新人たち
・大手出版社が動きだす
・未知数の魅力をもった新人
・ベテランの新鮮な仕事
・新しい才能を見抜くコツ
・「カムイ伝」第一部終わる
・正統劇画とイラスト漫画
あとがき
文庫版あとがき
解説 長井勝一の人間宣言/南伸坊
説明や感想など
戦後漫画史を語るうえで欠かせないマンガ雑誌『ガロ』の編集長である長井勝一の自伝的著作。
満州での山師としての体験や闇市での商売、結核との闘病といった戦前・戦後のエピソードや、白土三平、水木しげる、つげ義春や辰巳ヨシヒロ、さいとうたかを、佐藤まさあき等、関西の劇画作家たちとの交流、そして林静一・佐々木マキ・安部慎一ら個性派新人の発掘。
そして『ガロ』という雑誌がいかにして唯一無二の存在となったか、その舞台裏が語られています。

戦後ならではの混沌としたマンガ文化が、どのように中央の大手出版へ溶けていったかを知るうえで重要な著作だと思います。


コメント
コメント一覧 (1件)
[…] なお、余談ですが、この本を読むと「ガロ」編集長で描かれた(というか本人が書いた)長井勝一とはまた違った長井勝一像を知ることができるので、興味のある方はぜひ。 […]