

発行日と目次
発行日:1973年10月15日
目次は以下
1:貸本劇画―憎悪と復讐の悲鳴/権藤晋
「手塚マンガ」からの出発/初期劇画を支えるもの―貸本短編誌『影』を中心に/非学生ハイティーン読者の痛苦/貸本短編誌『迷路』の作家たち/復讐の劇質と悲惨―白土三平/「狂暴性」の栄光と悲惨―佐藤まさあきと平田弘史/初期劇画から新しい形式の劇画へ/貸本劇画最後の光芒―水木しげる
2:劇画の現在―表現と生活の混沌の果てに/菊地浅次郎
今日的劇画の二様性について/感傷と心情の方向性―四人の劇画家の場合/大衆読物としての劇画―ストーリーにおける収拾の論理/「描く」ことのドラマとしての劇画―コマ展開の断絶の論理/劇画表現の意識と時代性
3:劇画表現の理論と構造/石子順造
用語について/メディア(貸本)として/描法について
劇画にかんする資料
辰巳ヨシヒロ / 劇画の歩み
劇画工房 / 劇画工房ご案内
佐藤まさあき / アクション劇画の面白さ
旭丘光志 / 劇画小論
影丸譲也 / 現代劇漫画家と出版界の現状
説明や感想など
「劇画」の登場からまだそれほど経ってない時代に書かれたものを読んでみたいと思って購入しました。

のですが、この時代はまだ漫画の評論が発達していなかったからか、『決めつけ』から入るような展開が多く、正直まともに読む気にならなかったです。
関西の劇画作家たちは生活環境に恵まれていなかった・・・だからコンプレックスがある
つげ義春はほとんど食うためだけに描いていた・・・だからコンプレックスがない
という論理が意味が分からなかったですが、私の読解力が足りないだけかもしれません。
全体的になんだかモヤモヤしながら「当たらずも遠からず」感を抱くような本でしたが、「たしかにそうかも!」と思えるような部分もいくつかありました。
今はもうほぼ入手不可能になっている、辰巳ヨシヒロの『劇画大学』からの引用が多かったりするのが、貴重な部分かと思います。






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