「おたく」の精神史 一九八〇年代論/大塚英志

目次

発行日と目次

発行日:2004年2月20日

目次は以下

第一部 「おたく」と「新人類」の闘争
1章:「おたく」の誕生
2章:「新人類」とは何であったのか
3章:記号としての性
4章:消費による革命
5章:末井昭と「エロ本」の自己解体
6章:新人類と男性原論
7章:「徳間書店第二編集局」とは何であったか

第二部 少女フェミニズムとその隘路
8章:岡田有希子と「身体なき」アイドル
9章:黒木香とピンクハウス
10章:「内面」の崩壊
11章:上野千鶴子の妹たち
12章:かがみあきらと「ぼくたちの時代」
13章:岡崎京子の居た場所

第三部 物語消費の時代
14章:ディズニーランドと現実化する虚構
15章:収集する主体
16章:UWFとは何であったか
17章:都市伝説化するジャーナリズム
18章:前世を探した十四歳
19章:泡のような日々
20章:昭和天皇の死
21章:あの日のこと

第四部 九十年代のなかの八十年代
22章:湾岸戦争と「文学者」たち
23章:漂流する人々
24章:オウム真理教を論じるためのメモ
25章:宮台真司が「心」を語る理由
26章:福田和也と透明なナショナリズム
27章:「エヴァンゲリオン」と十四歳

あとがき
本文関連年表
本文索引

説明や感想など

まんがの編集者、原作者、研究者、評論家など、マルチに活躍する大塚英志が、80年代に携わった仕事を軸に、『80年代』とはどのような10年であったのかを論じたもの。

この本を読むと、「おたく」的な文化がどのように形成され、人々に浸透し、形を変えて行ったかがある程度俯瞰的に見えてくるようになるかと思います。

宮崎某の事件からオウム、アイドル、黒木香、UWFからビックリマンまで、非常に多くの話題が採りあげられていますが、話は一貫しており、読みやすかったです。

また、『渦中』にある状態から脱し、ある意味「思い出」的な視点で語られているため、中途半端に武器をチクチクさせてくるような著作よりも私は好きでした。

個人的には「大塚英志」という人にあまり良いイメージを持っていなかったのですが、情感による偏りを自覚しながら書いていたりしていて、この本を読んで印象が変わりました。

この記事を書いた人

1970年代生まれ。少年ジャンプは黄金期、就職は氷河期の世代。

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