マンガ・スタディーズ/吉村和真、ジャクリーヌ・ベルント編

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目次

発行日と目次

発行日:2020年6月20日

目次は以下。

第1部:マンガ/史
・清水勲『漫画の歴史』
・呉智英『現代マンガの全体像』
・竹内オサム『戦後マンガ50年史』
・夏目房之介『手塚治虫はどこにいる』
・鶴見俊輔『戦後日本の大衆文化史 1945-1980』
・石田美紀『密やかな教育』
・徐園『日本における新聞連載子ども漫画の戦前史』
第2部:表現/読者
・石子順造『マンガ芸術論』
・夏目房之介・竹熊健太郎ほか『マンガの読み方』
・ティエリ・グルンステン『マンガのシステム』
・伊藤剛『テヅカ・イズ・デッド』
・三輪健太朗『マンガと映画』
・金水敏『ヴァーチャル日本語』
・スコット・マクラウド『マンガ学』
第3部:産業/メディア
・竹熊健太郎・相原コージ『サルでも描けるまんが教室』
・丸山昭『トキワ荘実録』
・中野晴行『マンガ産業論』
・永山薫・昼間たかし編『マンガ論争勃発』
・貸本マンガ史研究会編『貸本マンガRETURNS』
第4部:ジェンダー/セクシュアリティ
・大塚英志『戦後まんがの表現空間』
・押山美知子『少女マンガジェンダー表象論』
・藤本由香里『私の居場所はどこにあるの?』
・永山薫『エロマンガ・スタディーズ』
・堀あきこ『欲望のコード』
・岩下朋世『少女マンガの表現機構』
第5部:日本/世界
・小野耕世『アジアのマンガ』
・小田切博『戦争はいかにマンガを変えるか』
・宮原浩二郎・荻野昌弘編『マンガの社会学』
・大城房美・一木順・本浜秀彦編『マンガは越境する!』
・吉村和真・田中聡・表智之『差別と向き合うマンガたち』

説明や感想など

これからマンガ研究者にならんとする人向けに書かれた著作。

マンガを学術的に研究する際の困難と可能性を示す30冊の重要文献を紹介し、5つのテーマに分けて解説しています。

私の場合は少年ジャンプの三代目編集長が書いた[さらば、わが青春の『少年ジャンプ』]を読んで、マンガや出版界隈のこと、もうちょっと知りたいなぁと思い、この本を買ってみたのですが・・・

先に書いたとおり、思いっきり研究者向けの内容でした(笑)。

ちなみに左開きで文章は横書き


とはいえ、漫画のことを深掘りするにあたって重要だと思われる著作が整理されて採りあげられているので、趣味で漫画関連の本を読んでいる人にもおすすめです。

この本を買ってなかったら、金水敏『ヴァーチャル日本語』なんて読むことはなかったでしょうし。(面白いのでおすすめです)

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こぼれ話

漫画関連の本を読んでいてよく思うのが、

これからの世代はどうするんだろう

というところ。

というのも、現在までに活躍されている漫画研究者や評論家の大半は戦後~1960年代に子供時代、青春時代を過ごしてきた人たちで、そこからリアルタイムにマンガ文化に触れてきている人たちばかり。

これを書いている2025年時点で、「戦後マンガ80年」ですよ。

いまの時点で

・ワンピース
・NARUTO
・BLEACH

だけで約260冊。

ここから

・あしたのジョー
・ドカベン
・天才バカボン
・すすめ!!パイレーツ
・ブラックジャック
・うる星やつら
・北斗の拳
・ドラゴンボール
・デビルマン

とか、有名どころだけ読もうとしてもお金も時間も限界がある。

必ずしも作品をすべて読む必要はないとは思いますが、「これは押さえておけ」ってものがどんどん増えていくから、大変ですよね。

この記事を書いた人

1970年代生まれ。少年ジャンプは黄金期、就職は氷河期の世代。

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