最近ネットで話題になっている『タコピーの原罪』というマンガ。
私も「はじめの一歩」の森川ジョージ先生がTwitterで言及しているのを見て、
気になって読んでみました。
確かに重めの設定、エピソードがあって、「うっ」となる部分もあるんですが、読むとタコピーの『~~っぴ』という喋り方を真似したくなる、なんとも不思議な魅力のあるマンガでした。
この記事では、そんな『タコピーの原罪』の、
・作品概要と作者の情報
・単行本は出ているのか
を解説しているので、気になっている方は参考にしてください。
<最新コメント> 3/25更新
ついに終わってしまった。
批判もあるかもですが、個人的には、良い終わり方だなと思いました。
次は少年ジャンプ本誌で作者の新しい作品が連載されそうですが、タコピーをもう見られないのかと思うと、少し寂しいですねぇ・・。近年まれに見る、良いキャラクターでした。
タコピーの原罪とはどんなマンガ?どこで連載されてた?
『タコピーの原罪』は、少年ジャンプ+で連載されていたマンガで、2022年3月25日に配信された第16話で完結しました。
<作品のあらすじ>
宇宙にハッピーを広めるために旅をしている「ハッピー星人」のタコピーは、ある日小学4年生の少女『しずか』ちゃんに出会う。
しずかちゃんにパンを恵んでもらったタコピーは、彼女にお礼をしたいと申し出て「ハッピー道具」を披露するが、しずかちゃんの反応は意外にも
「私はいいや」
であった。
なんとかしずかちゃんを笑顔にしたいと願うハッピーであったが、彼女の家は母子家庭で、学校では壮絶ないじめにあっていた。
地球の人間関係がよく分からないタコピーは、状況がよく飲み込めないでいたが・・・
小学生の悩みを解決するため、人ならざる者が不思議な道具で解決を図る
という部分だけを取り出すと「ドラえもん」みたいですが、タコピーの原罪は登場人物の抱える悩みのテーマとその描写が重いため、ドラえもんとは少し違った作品と言えるでしょう。
最終話手前で作者「タイザン5」先生の対談が少年ジャンプ+に掲載されていました。
『ドラえもん』が好きだそうで、「陰湿なドラえもん」がやりたかったとのこと。
作者インタビュー記事:『タコピーの原罪』タイザン5先生インタビュー
タコピーの原罪は少年ジャンプ+のアプリ、webサイトどちらでも読むことが可能ですが、完結後は途中の話を読むのにポイントの利用が必要になっています。
少年ジャンプ+ | ||
公式サイト:https://shonenjumpplus.com/ |
アプリで読む場合は、ホーム画面を金曜日までスライドさせるか、
画面下の検索ボタンで探しましょう。
※「タコピ」や作者名の「タイザン5」「タイザン」だけでも出てきます。
タコピーの原罪の作者は?
タコピーの原罪の作者は「タイザン5(ファイブ)」。
2020年9月にジャンプルーキー!で「讃歌」という作品を投稿し、編集部期待賞を受賞。
他、
・同人政治 / 2020年10月 (となりのヤングジャンプ)
・ヒーローコンプレックス/2021年2月 (少年ジャンプ+)
・キスしたい男/2021年7月 (少年ジャンプ+)
などの作品を描いており、いずれも読み切りの作品です。
タコピーの原罪は2021年12月10日から少年ジャンプ+にて発表。作者にとっては初めての連載作品となります。
ヒーローコンプレックスとキスしたい男は、タコピーの原罪と同じく少年ジャンプ+で読むことが可能です。気になった方は少年ジャンプ+上で「タイザン5」と検索してみましょう。 (どちらも普通に良い話で面白いです)
タコピーの原罪の単行本について
タコピーの原罪の単行本は現在上巻が発売されています。
発売前に重版決定。発売直後に品切れとなっていましたが、現在は重版分が書店にも並ぶようになりました。
上巻は発売日翌日には売り切れていた
下巻の発売日は4月4日です。
※2022年3月18日更新
上巻が一時的に売り切れていたため、メルカリで転売されているようです。初版本が欲しいわけでないなら、重版分を定価で買いましょう。話を見たいだけであれば、ジャンプ+で全部無料で読めます。
下巻には描き下ろしのマンガがあり、紙の本は「手乗りタコピーぬいぐるみ」が抽選で当たるキャンペーンがあるようです。
タコピーの原罪って読んだら病む?
連載中は
「病む」「情緒がおかしくなった」「泣いた」「ハラハラする」
など、さまざまな感想が飛び交っていました。
しかしながら、完結まで読むと『病む』ということはない作品だと言えると思います。
ネタバレするのは嫌なので、気になっている方はぜひ読んでみてもらいたいです。
プラネテスやヴィンランド・サガで有名な幸村誠先生も「読んでよかった」とコメントされていました
タコピーの原罪を読んだ感想
初めて読んだときは5話まで公開されていました。そのときの感想は「なんだ・・・これは」でした。
家庭環境やいじめの問題を扱っていて、その点については描写も重めなのに、誰でも描けそうなゆるいキャラ『タコピー』がその雰囲気を都度壊していきます。
読んでスッキリするわけでもなく、かといって不快になったり暗くなるわけでもないという、不思議な感覚でした。
タコピーの原罪はなぜこんなにも話題になるのか、どこが特異なのか考えてみたのですが、まず一つは「シリアスとギャグの混在」。
「シリアスとギャグの混在」は1970年にみなもと太郎先生が発表した「ホモホモ7」が最初で、その後はマンガ世界の設定としてはスタンダードになっていったそうです。
しかしながら、たいていは『ギャグ寄り』にならざるを得ないところ、タコピーの原罪はギャグとシリアスが並列している感じを受けます。
これが少し特異な点ではないでしょうか。作品が終わるまで、いったいどっちのマンガなのか分からない。物語が半分を過ぎても、ギャグとして終わらせることも、シリアスで終わらせることも、どちらでも出来そうです。
もう一つは、作者がノリノリで描いているところ。
↓は11話の扉絵。
旅行雑誌のパロディだと思いますが、めちゃくちゃ作り込んでいます。
物語に直接関係ないところなので、ここまでやらなくても良いはずなんですが、アイデアがどんどん湧いてくるんでしょうね。
そういう、作者の「浮かんだことを描きたくてしょうがない」といったところが、作品全体に波及しているので、読んでいる側もその熱を受けて「面白い」と思うのではないでしょうか。
そんな異様な魅力をもつタコピーの原罪。ラストまで目が離せません!
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
2022年3月25日追記・完結後の感想
ついに完結しました。
あまりネタバレ情報を書きたくないタイプですが・・・結論からいうと、私は「良い話だったな」と思いました。
ちょっと分かりにくいので、
・え?これで終わり?
・ん?どういう意味?
と思う方もいるかもしれません。
個人的には、
解決能力がないけど「なんとかしてあげたい」と思うタコピーが関わったことで、『しずか』と『まりな』が、お互い「話」をすることができた。
話をすることが、聞くことが大事。
ということだったんじゃないかなと思っています。
心の内
を吐露したり、聞いてあげることって、だんだん減ってきてますもんね。
(同じような感想を述べている方がいました↓)
タコピーの原罪が「ステマ」「仕掛けられたブーム(?)」とか言われたりしているようですが、上述したような『今世の人に刺さるテーマ』があったればこそ、話題になったのかなと、私は思います。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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